創造の白樺
平成十五年十一月(晩秋号)
通巻第11号
目 次
1.緊急提言!!
イラクへの自衛隊派遣は国家百年の計を壊す 大橋新也
2.永世中立国を大切にしましょう 大橋新也
3.コーラル・アーツ・ソサイアティ第4回ドイツ演奏旅行記(1)
山下広之
4.小論文
パラドックスを理解せずして、これからの人間はやっていられない
大橋新也
5.執筆者の紹介
緊急提言!! イラクへの自衛隊派遣は国家百年の計を壊す
大橋新也
私は、日本の自衛隊をイラクに派遣する事について、非常に心配を致しておる一人です。
それぞれ、胸に金バッチをおつけになった方々、そして、政治評論家の方々、皆さん、喧喧囂囂と、賛成やら不賛成やらを討論して居りますが、誰一人として、イスラム経典であるコーランに、斯く斯くしかじかであるから、ああするこうする。と言っていないのが残念です。
そして、派遣賛成の方々は、国連軍に編入して国連の総意に従って云々。直接戦火は交えない云々。
私は、とても心外に思って居ります。
こと戦地に赴けば、後方支援であろうが、戦後復興支援を大儀づけて参加しようが、敵から見れば、そんな区別はしないのが当たり前。コーランは、その昔、またその昔、ハンムラビ法典から、のりとハサミで造った様な寄せ集め経典であり、とりわけ目立つのは、「目には目を・・・・」なのです。
イスラム原理主義者にしてみれば、何も、ドンパチをやらなくても、米軍を支援しただけでも、敵と見なすのです。そして、一度その様に見なすと、この先、50年でも100年でも、いや200年でも、ずーっと敵視するのです。
パレスチナ対イスラエルのやりかたをご覧になってお解りと思いますが、彼等は、何千年もユダヤと敵対しているのです。
今朝の南極からの皆既日食のテレビ中継をみていて、何が何でも、日本は、完全中立を保たなければならないと思いました。現状に於いて、今なら、派遣にブレーキがかけられます。総理一人が「腰ぬけ」と言われるだけで、一億の日本人が救われます。そればかりではなく、将来、日本は、中立の立場で、両者の和解調停役を努めることができます。
もしも、日本の自衛隊が派遣されたなら、その瞬間から、世界を見渡しても調停役が皆無になります。そうすると、100年戦争に突入です。もしも、100年戦争に突入しても、アメリカは、それほど痛くも痒くもないのです。
要するに、今回の戦争は、悪魔同士の骨肉の争いなのです。
「恨みに報いるに徳をもって為す」と言う、本当の善良なる人間であるならば、イラク戦争に片棒担ぐことは絶対に止めねばならないのです。
テレビで昨今のブッシュ大統領の顔をご覧になって、お解りと思いますが、人相が大変悪くなっています。勿論、日本の現総理の人相も、貧相になってきました。占い的に言えば、凶相です。
バブル崩壊後、既に、十数年、益々不況に拍車がかかって居ります。その上、少子化で、ロートルばかりです。こんな実質上の貧弱な国力で、たとえ小さな戦であっても、参戦はできません。それに、全閣僚は、戦争未体験者です。自衛官でも警察官でも、戦争未体験者です。要するに、ド素人が戦うのですから、絶対に成功はしません。
もしも、参戦したら、何も知らない、純朴な少年少女に対して、大人達は、どうエクスキューズするのでしょうか。
今まで、私は、沈黙を守ってきましたが、遂に、今日只今、自衛隊の派遣に反対を表明し、日本国の永世中立を堅持することを願います。もしも、参戦してしまえば、平和憲法を踏絵にして、踏みつけたも同然。将来ともに、永世中立国としての役割は不可能です。
永世中立国を大切にしましょう
大橋新也
世界人類、一人一人が太陽の様な明るく大きな気持ちで日々努力いたしましょう。
永世中立国がこの世からなくならない様に願って筆をとりました。
永世中立国を大切にしましょう。
日本は、少しづつ、ずれ込んでいるのではないでしょうか。
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永世中立国といえば筆頭はスイスです。日本は、それとは少しく異なり、「永世戦争放棄国」なのです。
スイスの永世中立は、ナポレオン体制が崩壊した1815年に欧州列強が調印
した「ウィーン条約」で認められたものです。スイスはその地理上、大国と接
していて戦略的重要性が高いため、欧州列強間としては中立を守ってほしいと
いう思惑があったものとされます。(諸歴史書による)。
実際に、スイスは、19世紀から現在に至るまで、世界大平和のために、絶大なる貢献を果たしてきました。実に賞賛すべきです。
永世中立とは自らは戦争を開始せず、他国間の戦争にも参加しないことを宣言
し、他の国がその地位を承認した場合に言い、その国を永世中立国と言います。
そして、永世中立国には次のような義務が課せられます。
・平時に他国に戦争を起こさないこと
・戦時に中立国としての地位を守ること
・戦時に中立国としての地位を保てなくなるような行為を平時に行わないこと
日本の「戦争放棄」と似ていますが、その日本は、中立を守るために自衛のための陸・海・空の軍備があるところが全く違います。つまり中立を守るための戦争はする、ということです。
永世中立を守るには他国と盟友にならず、また干渉もせずというのが原則。そのスイスが最近国連に加盟する動きになってきています。米ソ冷戦下の1955年に永世中立を宣言したオーストリアでさえも昨今の国際情勢を受けて永世中立を廃止する動きになっています。
現在国連への加盟国は189ヶ国。未加盟国はスイスとバチカン市国だけです。
スイスでは国民投票でも国連加盟には賛成多数で、ダイス外相の提案する処の「普遍化した国連に加盟し、孤立を避けよう」というスローガンが国民に浸透したものとされています。
永世中立国は古くは欧州列強、近年では米ソ冷戦の申し子であったようで、世
界情勢の変遷とともに過去のものとなる運命のように伺えますが、もしも、スイスが国連に加盟した後、きっと、昔のスイスのままであった方が世界人類の
大平和の為であったと、後悔することが必ずあると思います。
一たび、加盟すると、万が一、脱退する時の大義名分を造るのは、誠にに至難の技でなのです。
どんな事にでも言えることですが、スタートする時には、ブレーキを踏むこと、
何時ブレーキを踏むかを熟慮した上でなければならないのです。
世の中、如何なることも無限と言うことはないのです。初めがあれば、必ず終りがあるのが、この世の道理なのです。
バチカンは、宗教を軸としての永世中立です。だが、スイスは、国民全体の安寧を礎とした永世中立なのだと言うことを忘れてはならないのです。
日本も、完全中立を守れなくなって、警察の一部が自衛隊と変身し、あっと言う間に、海外派遣にまで動かされてしまったのです。得てして、義侠心を発揮しすぎると、本来の自己の誇りとする姿を見失って行き、あげくのはては、こじつけの正義に生きる様になってしまうのです。
そうなった時、国民一人一人の平和は、吹き飛んでしまうのです。
長いものには巻かれないと言う精神こそが、本当の日本の恒久平和への礎なのではないでしょうか。
アメリカ合衆国も、アメリカ独立戦争の後、モンロー大統領が、外交面で、欧州と新大陸諸国との相互不干渉を主張した所謂「モンロー主義」を未来永劫に堅持するべきであったのではないでしょうか。
すばらしい理想を掲げ、それに向かって努力し、途中から、色々と脱線し、再び、かつての理想を思い出して、それを取り戻すと言うことは、はじめから、
ずーっと理想路線を歩み続けるよりも遥かに至難の技なのだと言うことを全ての人間は忘れてはならないのです。
コーラル・アーツ・ソサイアティ第4回ドイツ演奏旅行記(1)
山下広之
コーラル・アーツ・ソサイアティ合唱団は東京・葛飾の青砥を本拠として練習する合唱団であるが、このほどドイツ演奏旅行をして帰ってきた。ドイツで行った演奏会は下記の通りである。
1.第1回目 11月8日(土)19:30〜21:40
場所:クレフェルト「聖ゲルトルーディス教会」
曲目:〜バッハと私〜
「バッハと私」の朗読込み
モテット6番(BWV230)(J.S.バッハ)
オルガン独奏 コラール前奏曲BWV639)(J.S.バッハ)
トッカータとフーガ、ドリア調d(BWV538)(J.S.バッハ)
管弦楽合奏 管弦楽組曲第4番d(BWV1069)(J.S.バッハ)
休憩
モテット5番(BWV229)(J.S.バッハ)
マグニフィカート(BWV243)(J.S.バッハ)
出演:合唱 コーラル・アーツ・ソサイアティ東京
クレフェルト・シェーンハウゼン合唱団
ソプラノ サビーネ・シュナイダー
アルト ウナ ヴァイン ケンベル
テノール ワルター ドレス
バリトン 小松英典
管弦楽 ロイヤル・ケルン・バロック管絃楽団
オルガン ステファン ベルツ
指揮 ヨアヒム・ノイガルト(ミュンスター・カントル)
入場料 10ユーロ
2.第2回目 11月9日(日)16:00〜16:50
場所:ケルン「聖アポステルン教会」
曲目:〜日曜の音楽〜
「レクイエム」(フォーレ)
出演:合唱 コーラル・アーツ・ソサイアティ東京
ノイス・ミュンスター合唱団
ソプラノ クラウディア・シュルツ・アルトホフ
バス 小松英典
指揮 ヨハヒム・ノイガルト(ミュンスター・カントル)
オルガン ウルリッヒ・ペーターズ
入場料 無料
3.第3回目 11月9日(日)20:00〜21:10
場所:ヒットドルフ「聖ステファン教会」
曲目:「讃歌」(グリーク)
「レクイエム」(フォーレ)
出演:合唱 コーラル・アーツ・ソサイアティ東京
ノイス・ミュンスター合唱団
ソプラノ クラウディア・シュルツ・アルトホフ
バス 小松英典
管弦楽 ノイス室内管弦楽団
指揮 ヨハヒム・ノイガルト(ミュンスター・カントル)
オルガン ウルリッヒ・ペーターズ
入場料 15ユーロ
1.ケルンへ
コーラル・アーツ・ソサイアティの第4回ドイツ演奏旅行が去る11月6日(木)に成田国際空港からドイツへ向けて出発してスタートとなった。
出発当日の午前10時20分、出発ロビーのDカウンターに49名の団員と添乗員の菊池氏、藤崎さん計51名全員が集合、全日空の搭乗受付を済ませトランク類を預けると、一階上にある特別会議室に集まり壮行会が行われた。ここで演奏旅行に当たって注意しなければならないこと、特に外国では置き引きが非常に多いので手荷物は絶対に目を離さないこと、一人では出歩かないこと、グループを離れるときは所在をはっきり伝えておくこと、などを中心とした確認があった。また旅行に当たっての団長を石原氏とすること、またパート別の世話役をお願いする人等を井之脇先生から依頼された。
搭乗するための手荷物チェックとボディー検査も無事終わり全日空共同運航便NH209便フランクフルト行きに乗った。B747−400型ジャンボジェット機は11時21分に動き出して21分間の滑走の後、全長71m、総重量390トンの巨体をゆっくりと持ち上げて一路ドイツ・フランクフルトまでの9500キロメートルの旅に向かった。
稲刈りの終わった北総地方の田園地帯を見下ろしながら約7分で曇り空の雲海を突き抜けて明るい太陽の降り注ぐ青空のもとに出、10分で高度5千m、15分で八ヶ岳を見下ろす山岳地帯の上空を飛び30分で日本列島を横断して佐渡ケ島に達した。その後は高度9400m、時速850キロmでー52℃の上空を明るい陽光を浴びながら進んで行った。
お茶の時間には私はサッポロのドラフト生ビールを貰って全日空のネーム入りのおかきのおやつををかじりながら喉を潤し、昼食にはフランスの赤ワインを賞味しながらコールドミートの盛り合せ、チーズとコールスローのサラダ、若鳥の煮物と山菜御飯、日本蕎麦、ケーキ、コーヒーなどを摂った。隣の方は洋風でカレー風味の海の幸のクリームソースを賞味していた。
機は1時間半でロシアの上空に達しツンドラの大平原や切り立った白雪に覆われた山岳地帯を見下ろしながら進んで行った。座席ごとにテレビが付いていて、偶々昔懐かしい小津安二郎監督の映画「お茶付けの味」を鑑賞した。隣の座席の家内にも知らせて家内も同じ映画を見始めたがそれぞれ独立に時間差をもって放映している。だからちょっと前に私がみたシーンを家内に「今度はこうなるよ」と告げたりして楽しんだ。
おやつにはバドワイザーのビールをカルフォルニアの豆をかじりながら飲み、お握りなどを食べ、夕食にはスモークサーモンと七面鳥、白身魚とえびのトマトソース、日本蕎麦、フルーツなどを摂った。
10時間でストックホルムを越え、ヨーロッパの上に敷く厚い雲海の上を飛んで11時間18分の飛行でフランクフルト空港に無事着陸。荷物なども無事到着し、現地時間の17時5分に2台の専用バスに分乗して夜のアウトバーンを2時間15分疾走してケルンのビジネス街の中心にある、有名なケルンの大聖堂を見晴らすドリント コングレス ホテル ケルンに19時20分に到着した。
このホテルはビジネスセンター、プール、日本の寿司屋などもある大きなホテルである。夕食用の弁当にハムとチーズのサンドイッチ、オレンジジュースなどが配られて各自部屋落ち着いた。
ケルンは、ライン河に面したライン地方の文化や工業の中心地で、同時にドイツ有数の古都でもある。ケルンの語源はコロニア、すなわち「植民地」からきているといわれる。その歴史は古く、紀元前50年ころから、ロ−マ帝国直属のニ−ダ−ゲルマニア州の州都として栄えた。4世紀には、すでにコンスタンチヌス帝によって司教管区が開かれ、以来大司教の強い力のもと、大聖堂をはじめ150にものぼる教会が作られ、中世期にはドイツ最大の都市として繁栄した。現在の人口は約百万人、ドイツ第4の都市となっている。第二次世界大戦で町の大部分が破壊されたが戦後再建されている。
ケルンの大聖堂(ド−ム)は、ライン河から15メ−トルの高台に建ち、尖塔の高さは157mある。1248年の起工以来600年の歳月をかけて1880年に完成された。ケルン中央駅前広場から見上げる大聖堂はあまりの大きさと荘厳さに、言葉もなく立ち尽くしてしまうほどである。
私たちは落ち着くとすぐホテルの周辺を散歩に出かけ、日本と同じBECKSコーヒー店でコーヒーを味わった。店は大勢のドイツ人で一杯、それぞれ大きなカップで飲みながら盛んにおしゃべりを楽しんでいた。我々はホテルに戻り22時に寝に着いたが、これは日本時間で言えば翌日の朝6時に当たる。丁度一晩徹夜した計算になる。
2.ケルンでの練習
翌朝11月7日(金)は朝早く目がさめて7時からのホテルの朝食にでかけた。もう何人かはレストランに元気な顔をみせていて、ドイツのハム、ソーセージ、それに果物など自由に取って楽しんでいた。食後にちょっと外に出て小さなコンビニのような店でガス無しの水やドイツのビン入りのビールなどを少し買い込んできた。
今日は指揮者のノイガルト氏による練習日である。8時半にホテルを出発して市内のバジリカ聖アポステルン教会へ出かけた。1642年建立の大きな古い教会で、聖アポステルンが武器を持って悪魔を退治している勇ましい像があちこちに立っている。第2次世界大戦で破壊されたが戦後復興された。この教会の練習室で4年前我々のブラームスのレクイエムを指揮してくれたミュンスター・カントールのヨアヒム・ノイガルト氏によるバッハのマグニフィカ−トの練習が行われた。ほぼ東京で練習してきたことがヨアヒム氏の考え方と一致して概ね合格、一部の手直しで済み練習時間も2時間弱でマグニフィカートは終了した。
夕方4時半にバスでホテルを発ってクレフェルトに向かい、1時間10分で聖ゲルトルーディス教会に到着、黄色の落ち葉が美しい町であった。ここでクレフェルト・シェーンハウゼン合唱団とローヤル・ケルン・バロック管弦楽団と合流、マグニフィカートのオケ合わせを行った。クレフェルト・シェーンハウゼン合唱団は100人くらいの合唱団でヨアヒム・ノイガルト氏の指導のもとに歌っている、よく声が出る合唱団だった。オケ合わせを2時間ほど行い終了、明日の演奏会の成功を約して解散、バスでホテルへ帰って食堂で夕食。地ビールで乾杯して鮭のムニエルをメインディッシュに一日の疲れを癒した。
翌11月8日(土)はマグニフィカートの演奏会であるが開演が夜7時半なので昼間の時間を使ってボンの町を訪れた。ボンはかつての西ドイツの首都であり、大いに発展した町である。ここで1776年にベ−ト−ベンが生まれた。この生家がベ−ト−ベン協会の手で保存されており現在は博物館となっている。ケルン駅に行き、自動販売機でまずボン駅の番号を探す。ボン駅は2500となっているので、この4桁の番号を入れて料金の5.2ユ−ロを入れるとキップが出てくる仕組みだ。つり銭も出てくる。こういう仕組みに詳しく、旅馴れているバスの高城氏のガイドで自動販売機を各自操作してキップを買うことが出来た。8時56分発の電車に乗って紅葉の映える町並みを走った。ところが順調に走って4駅目のブリュール駅まできたら、それ以上電車が動かず止ったままだ。ドイツ人は皆電車を降りて行く。よく聞いてみると路線工事で、次のブリュール・ミッテ駅の間は振替バスで運ぶのだそうだ。そこで電車を降りて待っているバスに乗り込み今度はバスの旅となった。そして次のブリュール・ミッテ駅に着いてあらためて電車に乗りなおしてようやく1時間20分かかってボン駅に着いた。駅前の広場でベートーベンの銅像を見上げ、ベートーベンハウスを3ユーロ払って見学した。ベートーベンの自筆の楽譜、手紙、デスマスクなどいろいろな遺品が山と展示されている。また一階の売店ではベートーベン関連のグッズが各種売られておりバイオリンのキーホルダーとか、ベートーベンのネーム入りのエンピツその他音楽に関するお土産類が豊富である。ここでいくつかお気に入りのお土産を買って11時46分ボン駅発ケルン行きに乗り1時間でケルンに帰った。
以下次号
小論文
パラドックスを理解せずして、これからの人間はやっていられない
大橋新也
Paradox (パラドックス)と言う単語を英英辞典で見ると、
1) Statement that may be true but deems to say two
opposite things.
“More haste, less speed” is a paradox.
2) statement that is false because it says two opposite
things.
3) person or thing that seems to be full of
contradictions.
また、英和辞典で見ると、1)逆説。《一見矛盾または不合理のようで実際は正しい説》。
2)辻褄の合わない言説及び事物。そして、この言葉の用法は、epigram
即ち、寸鉄的な
風刺詞或いは警句として用いると記されている。
そこで、試みに和英辞典で、「逆説」を引いて見ると、初めに現れるのが paradox
で、次に contradiction である。
解り易く日常生活の中で説明すると、靴下を右左チンバで履いていても、見方によってはナウイ、アンサンブルとして、一つの先端的流行と言える。でも、チンバは、どこまで行ってもチンバなのだが・・・・・。
また、顔の化粧でも、中心から左側と右側とが、異なるトーンのメイキャップでも、すごく素敵で、正しい化粧とも胸を張って言えるということなのだ。
ものごと、ワンパターンで続いて行くと、いつか必ず行き詰まる。その行き詰まりは、諸手を揚げて喜ぶべきと考えれば、次に来るものは、新しい発想によるパターンなのだ。
最近の例えだが、女の子が、お臍をあらはにして、大道を闊歩している姿を見て、不道徳極まりなしと怒る人が居れば、一方では、大胆且つ自然的な美しさの現れだと、拍手を送る人も居る。
単に、お臍だけ出してもアクセントがないと言うことで、ピアスを付ける流行が現れた。
お陰で、アクセサリー屋が大繁盛。だが、これら、本来、外に見せない身体の或る場所にピアスを堂々と付ける習慣は、古代アフリカの人種たちがやっていた習慣で、何も今更驚くことはない。
また、昔からのアメリカでの習慣で、アメリカ人は、ベッドに横になる時も靴を履いたままだ。
驚くなかれ、情事の場合も同じなのだ。
勿論、ぐっすりと寝る時は、靴を抜いでからなのだが・・・・・。
アメリカの幼稚園や小学校では、習慣として、お誕生会が行われる。そんな場合、子供も先生もみんなフロアーにそれぞれ足を崩して座る。勿論、靴を履いたままだ。そこへ、銘々にランチョンマットが一枚づつ配られる。
それをどうするか、と言うと、みんながそれぞれ自分の座っている前に置く。
すると、先生が、ケーキやクッキーや飲み物を、お皿なしで配って廻る。受け取った子供達は、それを、ランチョンマットの上にじかに置く。そして、ハッピーバースデイの歌を歌い。それから、それぞれ美味しそうにお菓子を賞味するのだ。
これを日本人から見れば、どうして靴を脱がないのか、どうして、お皿もなしで、食べ物を配るのか、テーブルもあるのに、どうして、フロアーに食べ物を置くのか、不思議でたまらない。
でも、この習慣は、定着している以上、横から文句を言う人は誰もいない。
要するに、「郷に入っては、郷に従え」と言うことで、古代ローマ帝国時代から既に出来上がっていた習慣が今も尚続いているのだと思えばよい。
だから、英語の諺に、次の様な言葉がある。Do
in Rome as the Roman do.
こんな狭い日本の中ですら、関東と関西とでは、風俗、習慣、思考が全く異なるケースが多多存在している。
例えば、三月のひな祭りに、内裏様の並び方一つにしても、男女の右左が反対なのだ。
最近の例では、エスカレーターに乗っても、関東は、二列の場合、右側が追い越し用である。しかし、関が原から西に行くと、それが全く反対なのだ。
この地球と言うものは、人間のためには、有害なもの無害なものが、両方存在している。
それに対して、人間は、文句は言えない。
人間にとつては有害なものであっても、ある物にとっては、それが無害と言うよりも、必要欠くべからざる物であることがある。
また、経済的に見て、無駄だと思われるものも、同じ人間社会の中で、その無駄と言うものが存在するからこそ、利益を生むと言うケースが非常に多い。
家を建てるにしても、一見非合理的に見える様な無駄とも思われる空間がなかったら、そこに住む人にとって、何となくリラックスできない威圧感を感じて、住むのがいやになる場合が生じる。
朝九時から夕方五時まで、働け、働け、と強いられたら、働く人は、いやになってしまう。
当然、適当にお茶など飲む休憩時間がなければ、仕事と言う仕事にはならないのだ。
従って、休息も仕事の内であり、更に、長期休暇も良きアイディアを生み出すための良い仕事なのだ。
自動車のハンドルに、遊びがなかったら、リラックスした気持ちでドライブは楽しめない。
従って、ハンドルの適度なアイドリングも精巧な車の設計上、必要欠くべからざるポイントなのだ。
F1の様な、全くアイドリングの少ない自動車の運転は、その分だけ、運転疲労が重なるのだ。
結論として、一見、無くてもよさそうな存在物は、本当は、無くてはならない物なのだ。と言うことを理解した上で、この世の中を生きて行ける様なワイドな心構えを自ら育成することが、これからの人生を一層楽しく豊かにして行くものであることを率先して理解して行きたいものである。
国家のため、世界平和のためと、自らを犠牲にして、国力を強くすると言うことは、一見して素晴らしい事に見えるが、何もかも、国、国、国、と考えると、国の財産が多くなりすぎ、それを維持管理運営するのには、税金が沢山上がらなければやって行かれない。そうなると、国が国民一人一人に課せる税金の額がウナギのぼりに上がってしまう。
従って、国民一人一人が国にご厄介にならない様な思考で生活して行けば、税金は少なくて済むし、国そのものは、益々強くなると言うことなのだ。真の愛国者と言う者は、自分を大切に生き、国につけを廻さず、国に直接の奉仕などもしない者を言う。
執筆者の紹介
大橋新也 寶莱徳洋行有限公司・香港風帆廠日本代表。文京学院大学生涯学習センター講師。東京都葛飾区在住。多彩な趣味で幅広く活 躍。大橋新風の名前で川柳も発表。
山下広之 男声合唱団アンサンブル・レオーネ団員。我孫子市湖北台在住。文京学院大学生涯学習センターキャリアカウンセラー。?〇四(七 一八八)一六七三
創造の白樺
平成15年11月(晩秋号)通巻第11号 編集・発行 山下広之
〒270-1132 我孫子市湖北台2−7−25 tel/fax
04(7188)1673
E-mail yamashitah@dream.com
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